近隣住民とのトラブル、労働事案、未知の病、気候変動、天変地異……あらゆるシーンで思いもよらない「想定外の困難」に遭遇する機会が増えている。危機を乗り越えるには対象について正しく補足・分析し、対処法を考えるだけでなく、「セルフコントロール」の力が重要だ。元陸将補の二見龍氏が上梓した『自衛隊式セルフコントロール』から、一般のわれわれも使える自衛隊式リスク対応のコツと技術を特別公開する──。(第1回/全2回) *本稿は、二見龍『自衛隊式セルフコントロール』(講談社ビーシー/講談社)の一部を再編集したものです。 なぜ自衛隊は危機に強いのか 自衛隊に入隊すると、今までの生活とはまったく異なる生活が始まります。時間を厳守する集団生活で、まずは自衛隊の「躾しつけ」事項が徹底的に叩き込まれます。それは、新隊員教育(6カ月間)の場合も、また将来の幹部を育成する防衛大学校(学生の4年間)でも同じです。 この間