偽版画流通、丸善が公表せず 大阪の画商、17年前販売か―藤田嗣治「猫の本」など 2021年03月31日07時21分 藤田嗣治 平山郁夫ら著名画家の絵画を基にした偽版画の流通事件で、関与を認めたとされる大阪府の画商の男性(52)が約17年前にも、画家藤田嗣治の偽版画を丸善書店(現・丸善ジュンク堂書店)を通じて販売した疑いがあることが30日、同社への取材で分かった。旧丸善は当時、偽作が流通している可能性を把握していたのに公表せず、現在も一部が未回収のままとなっている。 偽版画「あの時、公表していれば」 丸善の対応批判―美術関係者 丸善ジュンク堂書店によると、旧丸善は2004~05年ごろ、この画商の男性と取引し、藤田嗣治(1886~1968年)の「猫の本」などの版画を東京・日本橋店などで販売。購入客からの問い合わせを受け印刷関連会社に確認したところ、版画ではなく印刷物の可能性があると指摘された。