東京都渋谷区の旧「こどもの城」(2015年閉館、現在は仮称・都民の城)を改修して再整備する計画について、都は9日、改修を中止すると発表した。現計画では改修費用に147億円かかる上、利用期間も数年となるため、周辺都有地の一体的な活用方法を検討する有識者会議や都議会から改修の中止を求める声が出ていた。 都財務局の担当者は「有識者の意見やコスト面などを考慮し、計画の中止を決めた」としている。現場の都有地は、隣接する青山病院跡地、国連大学、複合施設・コスモス青山を含めて約4万5000平方メートルに上り、都は近く地元の渋谷区も交えた新たな有識者検討会を設置し、具体的な一体活用を議論する。 当初の都の計画では、旧こどもの城を改修し、学習支援施設などを整備して最短で23年のオープンを目指していた。しかし昨夏から新型コロナウイルスの酸素・医療提供ステーションとして活用され、整備が遅れていた。(鷲野史彦)