【北京=大木聖馬】北京の大気汚染が昨年秋以来、深刻化し、10日には北京の米国大使館の観測データが、測定できないほどの汚染を示す「指標外」の値を示した。 市民はマスク着用など自衛に追われている。 同大使館の観測では、空気中を漂い、健康被害を及ぼす直径2・5マイクロ・メートル(1マイクロは100万分の1)以下の微粒子状物質が10日未明、1立方メートルあたり534マイクロ・グラムを記録。同大使館が、最も深刻な汚染とする指標「危険」(301~500マイクロ・グラム)を超えた。日本の環境省の設定する年平均値(15マイクロ・グラム)の30倍以上だ。 昨年12月にも「指標外」を記録しており、「危険」や「非常に不健康」の指標を示すことが常態化している。中国メディアによると、風が少ないため、自動車の排ガスや工場の排煙などが滞留するのが主な原因という。