どんな世界にもヒーロー、ヒロインはいる。オリンピックなどで活躍するスポーツ選手は目立つが、ビジネスの世界にも思わず「すごい!」と感嘆するようなプロフェッショナルがいる。情報システムの現場でもそれは同じだろう。大規模開発プロジェクトの修羅場で指揮を執った人、“火消し”のために獅子奮迅の働きをした人は間違いなくヒーロー、ヒロインだ。 ところが、SIerやユーザー企業のIT部門はそうしたヒーロー、ヒロイン、優秀な技術者にスポットライトを当てるのを嫌う。例えばSIerでは、巨額の大型案件の受注に成功したバリバリの営業担当者は、メディアにホイホイ登場してその武勇伝を話してくれるが、技術者だとほとんど表に出てこない。集団での仕事なので個人が目立つことを、組織も本人も嫌うらしい。日本人的な奥ゆかしさだが、そんな“ムラ社会”のような意識でよいのかと、私は思う。 就職活動前の学生にIT業界のイメージを聞いた
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