石垣りんさんの詩『ランドセル』。新一年生に語りかけるように<あなたはちいさい肩に/はじめて/何か、を背負う>と始める▼<机に向かってひらく教科書/それは級友全部と同じ持ちもの/なかには/同じことが書かれているけれど/読み上げる声の千差万別/入学のその翌日から/ほんの少しずつ/あなたたちのランドセルの重みは/違ってくるのだ>。重みが違ってくるのは、子どもも年相応に何かを背負いながら生きていくためだろうか▼比喩的な「背負うもの」でなく、現実のランドセルも重いようだ。キャスター付きフレームに取り付け、キャリーケースのように運ぶ新商品「さんぽセル」が人気という。小学生が発案した▼教科書が厚くなって荷物が重くなり、文部科学省は四年前、一部を学校に置くなど工夫し、負担を減らすよう各教育委員会に通知したが、改善したのだろうか。最近はタブレットを持つ子もいる。体育用品を扱う企業「フットマーク」が昨秋に発表