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ブックマーク / bungeishunju.com (2)

  • 詩 井戸川射子「Mass of Melted Small Bottles」|文藝春秋digital

    Mass of Melted Small Bottles小さな瓶の熔融塊と下部に書かれた写真のページを、あなたは開きっぱなしだ、漢字が読めなかったのだ、知らないままここまできてしまった、薬瓶のような小さいのが熱で繋がり固まってもう離れない、平和記念資料館所蔵品の厚いは手に重く机に置き眺める、めくる指に赤く乾いた箇所がある、きれいな裸というのは難しいものだとあなたは思う、衣服は情の深いような皺をたたえてまとわりつく、紙は湿りを帯びてくる、あなたは速度のついた手でページを開く、品物は目の前に次々と出てくる、ここにある、コップの湯を急いで飲むと、見えるほど熱いのが、あなたの一の喉を通っていく

    詩 井戸川射子「Mass of Melted Small Bottles」|文藝春秋digital
  • 詩|水沢なお|文藝春秋digital

    火曜日手が触れた ユキヒョウが跳ねる 弟の 青いシャツのボタンを外す 家族で見たあの滝のように 塔を弾く指のように 階段をくだるように 氾濫する バスターミナルのせっけん水 ストール を 蛍光ペンで囲う 爪の中のプランター 転卵 さかさまの火 わかりあえないことが まだわからなくて うずら色のパッチ ひたいでうねるさざ波 感熱紙を白い歯で撫ぜるみたいに 甘いつちのなかに根を張る かいたいと口にする 背が伸びたふりをする 光る窓を作成する 笑ったりする ありようを恋で例えられる 植えられる また笑ったりする

    詩|水沢なお|文藝春秋digital
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