#県内アートさんぽ#エンタメ【田原さんの「田原 詩集」】自分のぐるりを詳細に 静岡新聞教育文化部が200字でお届けする「県内アートさんぽ」。今回は、11月9~12日に三島市で行われる「2023年しずおか連詩の会 in 三島」に参加する詩人田原(でんげん、ティエン・ユアン)さんの「田原 詩集」(2014年、思潮社)。 日本語と中国語で詩を書く「バイリンガル詩人」。2010年の第60回H氏賞に輝いた「石の記憶」全編など日本語詩約60編に中国語詩訳が15編。エッセーも。こんな構成の詩集を出せるのは田原さんだけだろう。言語の違いがあっても、自分のぐるりを詳細に眺めまわす視点は不変。森に、海に、空に目を凝らし、風、夜、時間の流れを弊睨し、言葉を紡ぎだす。修辞の限りを尽くした風景描写から浮かび上がるのは、目力の強い詩人、その人である。不思議。(は)