今年2月と5月に、日経CNBCの番組収録のため、シンガポールに住む著名投資家のジム・ロジャースの自宅を訪れた。外国人投資家として日本をどう見るか。株、債券、通貨、商品のうちで何に一番魅力を感じているのか。欧米先進国が抱える公的債務という悩み、新興国市場をどう見るか。そして震災後の日本の展望は…。2人で語りつくした。 豊島:まず最初に、震災の前と後でポートフォリオにどんな変化が生じたか教えていただけますか。2月にお目にかかったときは、日本株と日本円を保有していましたよね。今はいかがですか。 ロジャース:日本株は買い増したよ。主に小型株とインデックスだね。あの震災で世界が終わるわけではないし、私は日本の復興を信じているから。 “buy disaster(災害は買い)”これは私の経験則だ。たとえ下げたとしても、それが結果的には底値であることが多い。シンガポールに移り住んでみて、中国にも同じ趣旨の