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慶應義塾大学の伊藤公平塾長が、3月に文部科学省・中央教育審議会の特別部会で「国公私立大学の設置状態にかかわらず、大学教育の質を上げていくためには、公平な競争環境を整えることが必要。国立・公立大学の家計負担は、年間150万円程度に上げるべき」と提言しました。今回は、日本の大学と学費のあり方について考えてみましょう。 文科省は火消しに回る 4月中旬に伊藤氏の提言がメディアで明らかになると、大きな波紋を呼びました。ほぼ反対一色で、SNSやネット掲示板には次のようなコメントがあふれていました。 「学費の値上げと大学教育の質の向上がどうつながるのか。私立大学と国公立大学が公平な競争をする必要があるのか。ちょっと意味がわからない」 「値上げすると、いよいよ裕福な家庭しか大学に進学できなくなる。努力すれば国公立大学で安く学べるという今の仕組みを変えるのは反対」 文科省の担当者は、早々に「あくまで提案が議
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2022年7月に施行された埼玉県の「性の多様性(LGBTQ)条例」について、県議会での審議を前に自民党埼玉県連が意見募集をした際、埼玉県神社庁の関連団体・神道政治連盟埼玉県本部が下部団体に反対意見を投稿するよう呼びかけ、「LGBTQは何れも、精神疾患であることが明らかになりつつある」などと記した文書を送付していたことがわかった。 LGBTQを疾患とみなす考え方は現在の精神医療では否定されており、科学的に誤った情報をもとに、投稿を促していたことになる。さらにLGBTQ当事者への無用な偏見や差別を助長しかねない内容で、神社関係者からも批判が出ている。 科学的に誤った説明 文書は、神道政治連盟埼玉県本部によって、2022年4月に県内各支部に送られた。 「埼玉県 性の多様性に係る理解増進に関する条例(仮称)の骨子案 問題点・疑問点(事務局作成)」とのタイトルが付けられている。自民党埼玉県連が作成し
バルト3国の1つ、ラトビアにリガという町がある。この町は、旧ソ連の残影が残る町だ。中央駅の近くに市場が並ぶ、そこではロシア語が飛び交っている。ラトビアにはラトビア語がある。ロシア語は公用語として認められていない。 バルト3国の小さな国で、ロシア語を主に話す地域はロシアに接する地域に集中しているのだが、ロシア語の人口は多い。しかし、公認されていない。ソ連時代を払拭する必要があるためだが、ロシア語の大学もないので、ロシア語に固執する限り公職につける可能性が低く、市場で仕事をするしかない。 ここからサンクトペテルブルク行きのバスが出ているが、数時間で到達する。この街が近づくとロシア語地域だが、隣のエストニアでもロシア語はマイナーだ。それは南のリトアニアでもそうだ。リトアニアには、旧ソ連時代に各地にあったマルクスやレーニンの石像を集めた野外博物館がある。なぜかこの博物館の中だけは、ロシア語が共通語
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自然科学5、社会科学3、文学2の割合でいい ――「主体的・対話的で深い学び」を実現するために探究学習が重視される中、学校図書館の役割が大きくなっています。 それなのに学校図書館の基本的な考えは「1980年代からほとんど変わっていない」のです。30年前の服が並んでいる洋服屋に買いたい服はありますか? 本というのは刷られた瞬間に世界が止まります。データ本はデータが変わったら、法律やスポーツならルールが変わったら使えません。ミステリーなんて、DNAが解析されたので、今は血が1滴落ちていたら犯人がわかってしまいます。時代が緩やかで変化がなければ、本はそのまま使えますが、変化があれば図書館に並べる本も変えなくてはなりません。 1960年から80年代までは世界中が文学全盛期で、図書館の中では「物語」がいちばん強かった時代です。その当時の学校図書館は、新しく出た面白い物語を買い足すだけで済みました。90
「肉選び」で目指す味が変わる 昔からステーキはご馳走。焼き方についてはいろいろな流派(?)がありますが、実はそれ以前の「肉選び」でも目指す味は変わります。 日本国内で流通している肉は大きく「輸入牛」「国産牛」「和牛」の3種類。輸入牛は脂が少なく、あっさりした味。国産牛は脂の少ないものから多いものまでさまざまですが、基本的には輸入牛よりも脂が多く、和牛はさらにその上。 ちなみに1991年の牛肉の輸入自由化以降、消費の主流は輸入牛。安価な輸入牛と差別化をはかるため、和牛の脂は増えていった経緯があります。最近の人気は脂の少ない赤身肉ですが、それでもある程度の脂肪交雑がないと焼いたときに硬くなりがち。 牛の硬さは部位によっても変わってきます。牛は体が大きく、その体重を支えるためにスネやモモといった下側の筋肉が発達しているからです。餌を食べるために首肉もよく動かすのでやはり硬く、こういった部位は煮込
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パキスタン各地で激しい洪水が発生している。洪水が山腹を削り、建物を根こそぎ押し流し、田園地帯で猛威を振るった結果、地区全体が内陸の海と化した。これまでに1100人以上が死亡し、100万棟以上の家屋が損壊・倒壊した。 3カ月以上雨が降り続いたため、パキスタンの農地の大部分が水没し、食料不足のおそれが出てきている。パキスタンにとって近年で最大の被害をもたらすモンスーン期となる可能性が高い。 最悪と言われた2010年の洪水よりもひどい 大きな被害を受けた山間部カイバル・パクトゥンクワ州のファイサル・アミン・カーン公使は、「ボートやラクダなど使える手段は何でも使って、最大の被害を受けた地域に救援物資を届けている」と述べた。「最善を尽くしているが、この州の被害は2010年の洪水の時よりひどい」。 その年の洪水では1700人以上が死亡し、数百万人が家を失った。国連の潘基文事務総長(当時)は、それまで見
大村崑です。まだ生きています。90歳です。死んでまへん。 死んでないどころか、寝たきりでもなく、車椅子でもなく、杖も使わないで自分の足で歩いています。ヨタヨタ歩きでも、すり足でもなく、50センチほどの歩幅でスタスタと、けっこうな速足で歩くこともできます。 よほど長く歩くのでなければ、1キロやそこらなら息切れすることもなく、ラクラク歩けるのです。しかも、駅やデパート、ショッピングセンターでは、1階分ならエレベーターやエスカレーターも原則、使わない。手すりをしっかり持って、階段を一段一段、上って、下っています。 ぼくの背中はピーンと伸びています。腰も曲がっていません。肩もしっかりとうしろに引けていて、その肩の位置から首がスッと伸びています。 背中と肩が丸まった「猫背」とは無縁の、実にいい姿勢をしているのです。ついでに言えば、膝も伸びています。痛みはもちろんありません。 胸を張り、背すじをピーン
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日本は112カ国中78位――。近年、さまざまな指標における世界での日本のランキングの低さが話題になるが、ついに「英語力」も下から数えたほうが早くなってしまった。11月16日に発表された、EF英語能力指数(EF EPI)において日本の順位は2020年の55位から大幅にランクダウン。2011年の14位からは急落している。ちなみに、隣国の韓国は34位と日本から背中すら見えない状態だ。 これは単に日本人が、英語が苦手である、ということを意味しているのではない。このランキングが示しているのは、日本の外国人嫌いが加速し、国全体が急ピッチで孤立主義の姿勢を強めつつあることだ。 楽しかった雰囲気が成田空港で一変 外国人にとっても日本はかつてより住みにくい国になっている。特にコロナ禍でその状況は「悪化」している。2021年8月17日、パリ発東京行きのエールフランス航空AF275便に乗っていた人たちもそう強く
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