これは傍論ではない 首相を始め、多くの政府関係者が、イラク派兵訴訟名古屋高裁判決について「傍論 にすぎない」としてその価値を低めようとしています。 しかし、名古屋高裁民事3部は、決して傍論を述べたわけではなく、国家賠償法1条 の「公権力の行使に当たる公務員が、その職務を行うについて、違法に他人に損害を 加えたときは」の 「違法に」の要件該当性を判断するに当たって必要な事実認定をしたのであり、それは 国家賠償法の違法行為抑制機能からも必要な認定であったと考えます。 以下、国家賠償法の解釈・機能について、私が別件の国家賠償訴訟で調査したこと を抜粋して述べます。 なお、各学者の論説についての解釈は私の見解です。 早稲田大学の首藤重幸教授の鑑定意見書では、以下のように述べられている。 「行政事件訴訟法に置かれる多数の訴訟類型によって国・公共団体の責任を追及する 途が尽きたところでの最後の司法審査