ブックマーク / www.newsweekjapan.jp/youkaiei (4)

  • 「文明を与えてくれた中国」への忖度が日本にもたらす悪夢

    中国文化の恩人扱いする日人の精神的善良さが世界との間に溝を生む> 日には一種の目に見えない暗闇の力がある。中国への忖度、配慮、自粛という力だ。 今、この暗黒の力が日と世界の民主主義陣営とを引き裂こうとしている。中国によるウイグル人弾圧をアメリカがジェノサイド(集団虐殺)と認定し、EUも人権侵害として制裁に踏み切ったのに対し、日も菅義偉首相の訪米で「対中非難決議」を手土産にしたかったらしいが、対中宥和勢力の反対で頓挫したままだ。 「巨大な暗黒勢力」の源泉はどこかというと、実は日人の精神的善良さにある。古代から続いた制度、思想や文化、それらを表現する文字などを「中国から教えてもらった」と多くの日人は信じ込んでいる。 実際に日からの留学生や留学僧に対して中国人がどれだけ親切に教えたかは不明だが、「中国は文明を与えてくれた大人の国」と日人は理解し、「中国人は皆、孔子様が論語の中

    「文明を与えてくれた中国」への忖度が日本にもたらす悪夢
  • 北京冬季オリンピックは中国の集団虐殺を隠蔽する祭典に

    <民族弾圧を続ける「犯罪国家」が五輪を開催することに抗議の声が広まっている> 2月4日、東京都内の日外国特派員協会で日在住のモンゴル人とウイグル人の代表による記者会見が行われた。小規模ではあったが、2022年の北京冬季オリンピックのボイコットを呼び掛けた声明は瞬時に世界を駆け巡った。 今夏にオリンピック開催予定の日が武漢発・新型コロナウイルスの猖獗(しょうけつ)に苦しむのを横目に、中国政府は着々と自国での2度目のオリンピック開催に向け準備を進めている。しかしボイコットの訴えは、中国にオリンピック開催の正統性を付与してもいいのかという問題を改めて世界に突き付けた。中国の異質性があまりにも目立ってきたからで、対内的にも対外的にも中国政治手法が国際社会から理解されるか疑わしくなっている。 08年に夏季オリンピックを開催した際も、同様の問題はあった。チベット人弾圧の実態が暴露され、聖火リレ

    北京冬季オリンピックは中国の集団虐殺を隠蔽する祭典に
  • 中国が傲慢な理由で強行した「モンゴル語教育停止」の衝撃

    IT時代には不向きな言語との差別的言説で同化政策が一層進む> モンゴル語教育安楽死を命じる――中国政府は6月末、そのような政治的目的を帯びた秘密文書を内モンゴル自治区に届けた。今秋の新学期から、学校におけるモンゴル語教育を停止するという内容である。 まず通遼市という地域から始まるが、誰もここだけで終わると思っていない。具体的には小学校では「道徳」の科目の授業を中国語で行い、中学以上では「モンゴル語」科目以外を全て中国語に切り替える。その口実も実に傲慢だった。 いわく、モンゴル語は先進的な科学技術中国流の思想道徳を教えるのに不向きで、「優れた言語」である中国語こそがIT時代にふさわしいという。 最初は大勢のモンゴル人教師が失職の危機感から抵抗を始めたが、次第に民族文化そのものが消される同化政策に対する怒りが拡大している。特定の言語が現代の科学技術に適していない、という差別的な言説を信じ

    中国が傲慢な理由で強行した「モンゴル語教育停止」の衝撃
  • 裏切られた中国民主化の夢 「建設的関与」という欧米と日本の偽善

    <天安門事件の犠牲者も香港の「高度な自治」も紙くず扱い――専制国家を読み誤り商売を優先した国際社会にその報いが> 世界は今、中国に対する「誤読」を正し、この大国との向き合い方を再考すべき時期に差し掛かっている。 1949年以来の共産主義体制において、特に89年6月の天安門事件は現代史的な一区切りと考えられる。民主化の実現を求める市民と学生が血なまぐさい弾圧を受けて、一党独裁体制が強化されてから29年が過ぎた。 事件以降、欧米と日は「中国にはそれなりの事情がある」と誤読し続けてきた。そこには、「建設的関与を続けていれば、そのうち正常な国に変わる」という一方的な期待感があった。 この間、中国は「平和的台頭」を掲げながらも、世界からの天真爛漫な期待を見事に粉砕し続けてきた。中国のこうした典型的な裏切りの例を示しておこう。 まず、「香港返還」での誤読がある。97年7月に英植民地だった香港は「祖国

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