たしか芥川龍之介氏だったでしょうか、恋とは性欲の文学的表現だと言っていたのは。 僕のあなたに対する感情を表すならまさにそれに近いわけです。もっともその本質は性欲ではないので安心してください。 少し僕の話をします。 僕はその、みかけ一丁前な自意識が出来あがっていく頃、具体的には中学生の頃なんですけど、自分のことを一人ぼっちだと思っていました。物質的にではなく、精神的にです。 生活には余裕がありました。勉強も運動も苦手ではなかったので、特に不自由はしませんでした。僕のことを好きだと言ってくれる子もいたくらいです。 コツコツ勉強をするのは嫌いでした。部活動は何度も理由をつけてサボっていました。にもかかわらずそれなりの結果を出せていました。 しかし努力の結果ではないので充実感もなく、自分がそれが得意だと思ったことはありませんでした。 まさに砂上の楼閣ですね。高校に入ってこの町を出たらただの凡人なん
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