インバウンドが拡大 旅行者数、消費額4倍に 地方創生は道半ば 第2次安倍政権の発足以降、約8年にわたって推進されたアベノミクス。経済政策としての評価はさまざまだが、その成長戦略の一端を担ったインバウンドでは、結果的に大きな実績を残した。コロナ禍までの期間に訪日外国人旅行は、人数、消費額ともに約4倍に増加した。日本経済への波及効果が拡大し、政策の重要度が高まるにつれて、安倍晋三首相が国会での演説で観光政策に多く言及するようになった。安倍首相の所信表明演説、施政方針演説からインバウンドにおける成果と課題を見ていきたい。 政府は2003年4月に訪日旅行促進(ビジット・ジャパン)事業を開始。07年1月に観光立国推進基本法が施行、08年10月には観光庁が発足した。しかし、リーマンショック(08年)や東日本大震災(11年)などの逆風もあり、訪日外国人旅行者1千万人の目標は未達成のままだった。 12年1