ミミズクと夜の王 (電撃文庫 こ 10-1)作者: 紅玉いづき出版社/メーカー: メディアワークス発売日: 2007/02メディア: 文庫電撃文庫小説大賞「大賞」受賞作。とてもさっくり読めました。感想もさっくりと。手を捻挫していることもあるのでさっくりと。ライトノベルの中には「ヒロインの女の子をいたぶるのに萌え」って流れがどっかにあるんじゃないでしょうか。と言ってもあまりきちんとライトノベルを押さえているわけではないので数を上げられないのが痛いのですけど……社会的弱者である少女を愛でるというある意味とんでもなく悪趣味な流れがある気がしてならなかったのです。そしてそれに嫌悪感を覚えていました。「され竜」とか「円環少女」とか、主人と使用人という関係が根底にあるメイドもの、それからある意味では「半月」もそうですね。少女が病弱で死にそうで文学好きでそれを見守る男の子なんて、何重に社会的弱者のファク
とある郵便局にエアガンを持って押し入ったが、結局、金は奪えず、そのまま逃走して捕まった男性。東京地裁でおこなわれた、その裁判。森は傍聴席にいる。刑務官に手錠をつけられ、腰縄を巻かれた男性を見ながら、森は想像する。男性の表情は、ふしぎにおだやかである。彼はこれまでどんな人生を送ってきたのだろうとかんがえる。そしてこう書く。 「彼が生まれてきたときは、まだ若い父と母はどれほどに喜んだのだろう。幼稚園には行ったのだろうか。初恋はいつだろう。ラブレターは書いたのだろうか。部活は何をやっていたのかな。成績はまあまあのはずだ(根拠はないけれど)。どんな未来を思い描いていたのだろう。どんな大人になろうと考えていたのだろう」 酒を飲みながら読んでいたせいもあったが、このくだりですこし泣きそうになった。誰にだって生活がある。家族があって、日々の営みがある。たとえ郵便局へ強盗に入った男であっても同じだ。生まれ
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