テレビは何を伝えるべきか。視聴者が見たいものを追いかけるのがテレビの性だし、視聴率のためには何でもやる意気込みで番組作りに取り組むものだ。だが、果たしてそれだけでよいのか? そんな疑問に答えようというのか、佐々木倫子の漫画『チャンネルはそのまま!』を、モデルになった北海道テレビ放送(HTB)がみずからドラマ化、地上波で放送するだけでなくNetflixでも公開している。『水曜どうでしょう』の名物ディレクター、藤やんこと藤村忠寿が監督と出演もしたドラマは、果たしてテレビの未来を占うものとなったのか。イラストレーターでコラムニストのヨシムラヒロム氏が、藤やんのクセ者ぶりについて考えた。 * * * 振り返ってみれば『水曜どうでしょう』は異常な番組だった。タレントよりもスタッフが騒ぎ、クリスマスともなれば局の駐車場で勝手にパーティーを開催。映し出される個性豊かなスタッフと自由闊達な社風。制作局の「