ぼくは作品が有名になってほしいとおもったことはあるけど、自分自身がタレントや文化人のように有名になりたいとおもったことは一度もない。講演会やイベントなど人前は苦手だし、取材などで写真を撮られるのも苦手だ。撮られる側になってみてわかったことだけど、写真を撮られるのというのはストレスだ。 それでも病気になってから“有名にならなければいけない。”とおもうようになった。有名になって女性にモテたいとか、お金を稼ぎたいとか、名声がほしいとか、健康な人が考えつくような欲のために有名になりたいわけではない。 病人になると(ぼくの場合は)男の三大欲みたいなものはどうでもよくなり“知ってもらいたい。”という男の三大欲よりもすこし健全な欲がでてくる。病気になって健全な欲がでてくるというのは皮肉なものだけど、不思議なことにそういうものなのだ。 お金だけを稼ごうとおもったら、八王子の湧き水をペットボトルに詰めて“波
![ぼくたちが選べなかったことを、選びなおすために。|幡野広志](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/f3ace490a01932c5d4a9f0fb8732fccb754b1f60/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fassets.st-note.com%2Fproduction%2Fuploads%2Fimages%2F11876425%2Frectangle_large_type_2_dcbeeeaea7bbed3a2b11fab63b7f85de.jpeg%3Ffit%3Dbounds%26quality%3D85%26width%3D1280)