面白おまっせ! サイエンスのノンフィクション 大人が読んで、子どもたちに語りかけてほしい 仲野 徹 大阪大学医学部教授 ノンフィクションが好きである。なかでも伝記が好きで『生命科学者たちのむこうみずな日常と華麗なる研究』(河出文庫)といった本を上梓しているほどだ。その本では20冊近くの面白い伝記本を紹介しているのだが、その多くは絶版になってしまっている。本が売れなくなったと言われて久しいが、なかでもノンフィクションは特にひどいらしい。 ちぐはぐなところもあるとはいえ、我が国は科学技術立国を目指していることになっている。そして、これからはSTEM(Science、Technology、Engineering and Mathematicsの頭文字で、科学・技術・工学・数学)教育が大事だと言われ始めている。しかし、男の子の将来なりたい職業には科学者がベストテンにはいっているにもかかわらず、残念