2020年夏季五輪の東京開催決定を追い風に、都心を中心とした交通網の整備が加速すると期待されている。地下鉄新線開通やバスの24時間運行、リニア中央新幹線の前倒し部分開通…。夢の構想が次々と持ち上がるが、理想と現実の差が目立つ構想もあり、戸惑いの声も。7年後の交通網はどうなっているのか。(森本充) 「きっと五輪が流れを変えてくれる」 東京都江東区職員の増田明子さん(28)は期待を寄せる。競技会場が集中する同区の臨海部は「鉄道不便地域」。都心に向かう東西の路線はあるが南北はなく、移動にはいったん都心部に出る必要が生じる。増田さんは「南北路線の早期開通は区の悲願だ」と訴える。 区は、東京メトロ有楽町線豊洲駅から東西線東陽町駅を経由し、半蔵門線住吉駅を結ぶ全長5・2キロの新線を計画。豊洲-住吉間の移動は現在の約30分から10分に短縮される。すでに区は都やメトロなどを交えた検討委を立ち上げ事業を詰め