それはあまりにも突然のことだった。 2月半ばにポツポツと出始めたホテルのキャンセルは 2月末にはほぼ全部屋キャンセルとなり、稼働率は一気に一桁にまで落ち込んだ。 ただでさえ今年は雪が少なく、「パウダーの聖地」の名が泣くような状況だった。 パウダー日和と言える日は全部で1週間もなかったかもしれない。 ただホテル自体はほぼ満室で、ピークシーズンを忙しく過ごしていた。 3月になり早々、冬だけの季節雇用者が全員リストラされた。 正社員を含めた通年雇用者も有給の使用が励行され、出勤が減らされた。 3月半ばには外国人観光客は完全に消え、メインストリートのひらふ坂はゴーストタウンになった。 判断の早い会社は、3月後半の時点で正社員のリストラも敢行した。 自分がいる会社も4月に入りいよいよリストラの声が出始め、希望退職制度が始まった。 現在、ほとんどの飲食店がクローズ。またホテルもかなりの数がGWを待たず