【新聞】裁判所に取材源を明かした日経の原則無視とメディアの鈍感筆者 藤田博司 2012年6月15日、大阪地裁で新聞報道による名誉毀損と損害賠償をめぐる裁判の判決が言い渡された。判決は名誉毀損を認め、新聞社に600万円の賠償を命じるものだった。 このニュースは翌日の主要各紙で簡単に伝えられた。一部の地方紙も通信社電でこれを伝えた。しかしいずれの報道も、判決が示した、より重大な事実についてはきちんと指摘していなかった。「論議を呼びそうだ」という形でわずかに問題のありかに言及していたのは毎日新聞(大阪本社版)だけだった。 ほとんどの新聞が記事で伝えなかった「より重大な事実」とは、被告の新聞社が裁判の過程で記者の取材メモを裁判所に提出し、取材先の実名、官職にも触れて取材の過程を克明に明らかにしていたことである。 取材源を安易に明らかにすることはジャーナリズムの基本倫理、基本原則に著しく反する行為と
![【新聞】裁判所に取材源を明かした日経の原則無視とメディアの鈍感](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/055fc042e2d6ac92eeaeff477b74d1b6ee0e398c/height=288;version=1;width=512/http%3A%2F%2Fwww.asahi.com%2Fimages08%2Fcommon%2Fasahicom_fb.jpg)