<金融危機が再燃する兆しがあるわけではないが、困窮している個人や企業は増えている> アメリカで再び、銀行の破綻現象が進んでいる。 米金融業界は08年の世界金融危機から何とか立ち直り、ここしばらくは平穏な日々が続いていた。国内各地の金融機関はFRB(米連邦準備理事会)のゼロ金利政策に助けられ、救済策や保証措置のおかげで体力を取り戻した。景気拡大に伴って、企業も個人もきちんと返済する良い客となり、最近の銀行はめったなことではつぶれない。 昨年、米連邦預金保険公社(FDIC)の加盟銀行の利益は計1713億ドルに達したと報じられている。破綻した銀行は年間で5行で、その支店数は合計18、資産総額も計2億7700万ドルにとどまる規模だった。 ところが今年に入って、既に5行が破綻した。しかも規模が大きい。4月末には資産47億ドルで29支店を持つニューオーリンズのファーストNBC銀行が、5月初めには資産1
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