コロナ禍で聞いたちょっと良い話。福岡市の30代男性は4月、妻が陽性患者になり、濃厚接触者として2週間超の自宅待機を強いられた。慣れない家事、幼い子どもの世話に追われる中、あることに気付く。「TSUTAYA(ツタヤ)」で借りたDVDの返却期限が来ていたのだ▼店に電話をかけた。「家族に陽性者が出て返しに行けません」。すると男性店員は「そんなことより、ご自身、ご家族のお体は大丈夫ですか?」。無事だと伝えると「それは何より。返却は先で構いません。延滞料金もいただきませんので。安静を第一に」と気遣ってくれた▼男性は妻の感染判明後、職場に迷惑をかけていないか、などと気落ちしたが、店員の言葉に励まされ、前向きになれたそうだ。つらい時に触れる優しさは、人の心に花を咲かせる。 (井崎圭)
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