夫婦で話し合いをせず、一方的に子どもを連れて家を出てしまう親は少なからずいる。DVなど深刻な事態から避難する場合だけでなく、別居して一定期間子どもと暮らすことで離婚時の親権獲得を有利にしようと、子どもを「連れ去る」ケースもある。連れ去られた側は、いきなり子どもと引き離され、その後もなかなか子どもに会わせてもらえないなど苦しむことも多い。 【写真】「連れ去り」で子どもに会えずに声を上げた母親たちの姿はこちら 一方、連れ去った側はどうか。DVやモラハラがないとすれば、片方の親と子どもを引き離してまで、家から逃れたい事情とは何なのか。「連れ去り」をめぐる背景には、どんな夫婦のすれ違いがあるのだろうか。両者の言い分を聞いてみた。 * * * 今回取材に応じてくれたのは、深澤さん夫婦。会社員の尚之さん(仮名、34歳)と、その妻で専業主婦のたまきさん(仮名、38歳)の間には、4歳の男の子がいる。い