周囲でもリアルに婚活やそれに類する話を耳にするようになって久しい。 ずっと不思議に思っていた。いまこの時代、この国の一般庶民にどうして「結婚」なんてものが必要なんだろう、と。生活を伴にしたい異性が既にいるというのならまだ理解る。男女が一緒に暮らすなら制度的に結婚してしまうのがいちばん「楽」だろうと思うからだ。逆にいえば、結婚になんてその程度の意味しか見出せない。そういう人間が増えた。だから、見合いなんて結婚促進制度は廃れ、既婚率が激減しているんだと思っていた。が、思い違いをしていたらしい。切実そうな顔をして婚活に励む知人たちの話を見聞きしていると、もはや考えを改めざるを得ない。 そもそも既婚率が高かった時代の結婚の多くは強制に近いものだったはずだ。一から自分で相手を選んで自分のタイミングで結婚したなんてカップルはそう多くなかったろうと思う。つまり、既婚率低下の直接的な原因は、親族手配による