真冬並の冷雨も上がり、街に日差しが戻る。つい先日まで暖を取った覚えあるも、気温は早や20度越え。栄華を極めた桜花に代わり、若葉が青く萌え始めた。 4月某日、初夏を思わせる陽気に誘われ、私はまたカメラ片手に散歩に出る。 思い起こせば、すべてはここから始まった。 そこにも書いてある通り、いい歳をして花の名前も碌に知らないという事はとても恥ずかしいと思い、取り敢えず自分で花の写真を撮り、その名を覚えてみようと始めたのだ。 それから二年。カメラを新調、レンズも増やし、そうやって少しでも良い写真と花の知識を得るべく努めてきた心算だが、なかなか思うようにはいかない。 【閑話休題】 そして、いつものように車を止め公園に入ると、池の畔では既にバズーカ砲部隊が配置につき、いつ来るとも知れぬ野鳥を待っている。 とても彼等の仲間にはなれない素人の私は、邪魔をしないよう遠回りして行く。この先には秋になると美しく紅
