・『怖い絵』中野京子 ・「洛中洛外図」の日本的視点 ・『日本人の身体』安田登 ・『新・悪の論理』倉前盛通 ・『肚 人間の重心』 カールフリート・デュルクハイム ・必読書リスト その四 西欧の遠近法や明暗法は、ちょうどある位置でカメラを構えてシャッターを切った時のように、画家の視点は一定の場所に固定されていて、対象も変化のない一定不変の状態にあるということが、基本的前提になっている。画家と対象との距離の差を画面における形態の大小や色彩の鮮明度に翻訳して表現するのが遠近法であり、対象に対する光のあたり方を陰影によって表現するのが明暗法だからである。(中略)だが、画家と対象との距離というものは、当然のことながら、画家の位置が変わればそれに応じて変わる。もし画家が人物を描くたびに、つねにそのすぐそばまで移動して描いたとしたら、遠近法は成立しないであろう。その代り、画中の人物は、つねに同じ大きさで鮮