今学期のレポート採点が終わった。「現代教育思想」という小難しいタイトルの授業だけれど、学生の意見はみな素直でかわいらしい。それでも、100人近くのレポートを読んでいると、中には思わずハッとするものもある。今年はこんなのがあった。 「生きる力」は、「自ら学び、考え、主体的に判断し、行動する」力となっているが、現在の教育は、「みんなで学び、考え、みんなで判断し、行動する」ことを促している。 これには唸った。恐ろしく的を射ている。 前者の「自ら・・・」というのは、教育関係者なら誰でも知っている呪文のようなもので、日本人に足りない力、今後ますます必要になるとされる力である。日本の教育がこれを目指していることは、教育関係者の共通認識だといってもよい。もちろん、この「自ら」というのは本来、一人でという意味ではなく、自発的に、自主的に、というニュアンスである。 一方で「みんなで・・・」というのも、協調性