まるで公園のようである。芝生で覆われたうねる大地の中を、曲がりくねった小さな道が貫通する。入り口には大きな水盤が設けられ、そこに小さな献花台がある。 墓石は一つもない。骨壷が眠るのは芝生の下。35cm角の区画が割り当てられ、その個別区画に骨壷を埋葬する仕組みだ。区画数は約3000。この芝生の丘が、全体で一つの大きな墓である。森の中に現れた公園のような空間は、これまでの墓地のイメージを払拭するかのようなインパクトがある。 通路の両脇に設けた金属板に埋葬された方の氏名の刻印が入る。芝生のどの辺りに眠るのかはその銘板で知る。