一人のベテラン登山家の危機に、命を顧みず救助に向かった世界各国の著名な登山家たち。その数年後に再び彼らを訪ね、山と向き合う心構えや死生観など貴重な証言を記録した本格派ドキュメンタリー映画『アンナプルナ南壁 7,400mの男たち』(原題「Pura Vida/THE RIDGE」)が今秋、全国公開される。 1950年、人類が最初に到達した8000m峰アンナプルナは、ネパール・ヒマラヤの中央に位置し、最高峰でもあるⅠ峰は8,091 mで、世界に14座ある8000m峰のなかで10番目に高い。これまでに、頂上に至るいくつかのルートが拓かれているが、なかでももっとも困難なルートが南壁である。 アンナプルナ南壁は、1970年代に早くから8000m峰のバリエーションルートとして開拓されてもなお、その美しいラインから多くの挑戦者を迎え、数々の栄光と悲劇の舞台となってきた。なかでも、2008年5月、スペインの