マネーの進化史 [単行本] 著者:ニーアル ファーガソン 出版:早川書房 (2009-12) ニーアル・ファガーソン『マネーの進化史』を読了した。国家は、戦争をするために膨大な戦費が必要で、そのために借金を必要とする。しかし、戦後にそれが支払えなくなると、国が倒産しかかると、平気で踏み倒すことを歴史上何度もやってきたという話が出てくる。 ご存じの通り、すでに日本はGDPのはるかに超える借金を抱えている。日本国内の貯蓄を通じた内債であるために、簡単には潰れないとされている。しかし、そんなに甘いものではないということを知った。 ■「坂の上」に先に待ち受けていた借金 司馬遼太郎『坂の上の雲』は、ご存じの通り、1904~05年の日露戦争を扱い、その時代の人々が高い志を持っていた姿を描いた物だが、以前から、引っかかっていたことがあった。戦争中の資金不足を補うために、当時、日銀副総裁だった高橋是清(N