耕作放棄地は1985年の13.5ヘクタールから、2015年には42.3ヘクタールまで拡大している。 撮影:澤田晃宏 新型コロナ感染拡大の影響で「低密」な地方への移住熱が高まっている。 なかでも、農業への関心が高い。筆者自身も半農半X(エックス)の生活を目指し、2020年6月に兵庫県淡路島に移住した。淡路島に決めた理由は、先に農業を始めた友人が暮らしていたことが大きい。 農業収入も得ながら記者活動を続けようと思ったのだが、実際その世界に足を踏み入れてみると、担い手不足と悩む業界のわりに、新規参入のハードルは限りなく高いこともわかった。 いったい、自分だけなのか。新規就農に取り組む人たちの話を聞いた。 農業就業者の7割を60代以上が占め、耕作放棄地は滋賀県の面積とほぼ同じの約40万ヘクタールまで拡大。そんな業界だからこそ、 「まだ30代で、意欲のある自分は好意的に受け入れられると思っていた」