ある夏の夜。1歳半の息子が保育園帰りで疲れていたのか、暑かったのか、バスの中で火がついたように泣き出しました。 「どうしよう。降りようか…」 そう観念したときに、そばにいたおばあちゃんが「これあげる」とあめ玉を1つ、私の手に握らせてくれたのです。 「赤ちゃんは泣いてもいいんだよ」 そういう意味だったのかもしれません。あめ玉ではないけれど、公共の場で子どもが泣きやまず途方に暮れる親たちに応援のメッセージを伝えるグッズが静かに広がっています。 (ネットワーク報道部記者 木下隆児・吉永なつみ・飯田耕太) 「引っ越したばかりで近所の保育園に2歳の子どもを預けられなかった頃、子連れで朝の通勤電車に乗っていたら、混み合う車内におびえた子どもが泣き出してしまい、会社員ふうの男性から舌打ちをされました。それがとてもショックで、しばらくの間、片道2000円かけてタクシー通勤をしました」(30代女性) 「友人