『「やさしさ」という技術――賢い利己主義者になるための7講』(ステファン・アインホルン著、池上明子訳、飛鳥新社)の著者は、スウェーデン・ストックホルムのカロリンスカ医科大学の分子腫瘍学教授、がん専門医。 一方、スウェーデンにおいては「倫理」についての講義・講演も高い評価を得ており、著作も多数。なかでも倫理的に生きることの意義と効用に焦点をあてた本書はベストセラーとなり、北欧を中心に話題となったのだそうです。 でも、やさしさとは抽象的なものであるだけに、それを定義づけるのはなかなか難しそうでもあります。著者はなぜ、こういった難しいテーマに着目したのでしょうか? 答えは、「はじめに「やさしさ」を磨くと人生が変わる」にありました。 やさしくあろうといっても、簡単に実行できるとはかぎらない。たとえば、いつも他人の思い通りにさせてやるのは、やさしさではない。(中略)やさしさというのは、おおいに判断力