# この本について 本書では近年話題のプログラミング言語であるRustを用いて,自作TCP実装,その名も「ToyTCP」を作成します.完全な実装を作るのはハードルが高いので,なるべく機能をシンプルにしつつ,しっかりと動くものを目指します.ただTCPを作るだけでは面白くないので,次のようなToyTCPを利用する2つのアプリケーションも同時に作成します. - エコーサーバ,エコークライアント - 文字列のやりとりを行う - サーバは複数のクライアントを同時にハンドリングする - ファイルサーバ,クライアント - アップロード機能のみ - クライアントから数MBのファイルをサーバにアップロードする - 少しくらいパケットがロスしても問題なく完了する TCPの仕様が記述されているRFC793は全部で85ページとかなりのボリュームがあるため,本質的な部分だけを選んで実装していきます.作成する機能は主