若い時代の学びの大切さは、歳を取ってみると痛感する。「少年老い易く学成り難し」とはよく言ったものである。 時間は巻き戻せない。くやしい。でもこの切実さはなかなか若者には伝わらない。何とか若者に「時間は大事だ」「若い頃の学びは大事だ」と伝えたいのだが、なかなか伝わらない。伝えようとしているうちにふと、自分が若かった頃に年長者から「少年老い易く学成り難し」と言われたことを思い出す。 「ああ、あのときのあの人の言葉は、私がいま伝えようとしている気持ちをよく伝えていたなあ!……あのときは、気付かなかったけど」なかなか難しいものである。 * * * 学びには広さもあるし、深さもある。自分の視野を広げて、どれだけいろんなことを学ぶか。あちこち浮気しないで、どれだけ一つのことに集中できるか。相反するようなものだけれど、でも両方必要だ。 何を学ぶべきなんだろう。その問いへの答えは「最終的には自己判断」とい