「被害者の冥福を心から祈って、今後の生活を送って」−−。猪名川町の民家で義姉を殺害したとして、殺人罪に問われた浜田順子(よりこ)被告(68)の裁判員裁判は3日、神戸地裁で全国で初めて執行猶予付き判決が出た。佐野哲生裁判長が説諭すると、浜田被告は涙ながらに「ありがとうございました」と頭を下げた。一方で、公判中の証拠の扱いなどについて、裁判員経験者の記者会見では課題も指摘された。 会見には裁判員6人と補充裁判員3人全員が、顔を明かしての写真撮影を含めて取材に応じた。検察側が証拠提出した被害者の遺体写真について、西宮市の女性(64)は「見るのは嫌だったが、必要だと思った」と答える一方、尼崎市の会社役員、山崎健さん(59)は「写真を見るには抵抗があり、必要がないと思い見なかった」と話した。証拠提出された精神鑑定書については、少なくとも2人が「読んでいない。『心神耗弱』の言葉などは、裁判官の説明で
宇都宮地裁で行われている殺人・死体遺棄事件の裁判員裁判で2日、弁護士2人が被告役と被害者役となり、実際に殴り合って事件の状況を再現した。 裁判では、中国籍で住所不定、整体師の付佳男被告(26)が今年3月、知人の中国人男性(当時30歳)を包丁で刺して殺害し、遺体を栃木県那須塩原市のため池に捨てたとして殺人・死体遺棄罪に問われている。 弁護士2人は、被告人質問の中で、付被告に確認しながら、包丁を持つ前に口論から殴り合いになった場面を再現。被害者役の高田直之弁護士が、被告役の室井淳男弁護士のあごや頭をこぶしで数回殴り、室井弁護士が高田弁護士の腹を殴り返した。法廷には殴打の音が響き、裁判員も驚きの表情を浮かべた。 室井弁護士は閉廷後、「被告が先に殴られ、必死になって被害者に反撃する様子を感覚的に裁判員にわかってもらう狙いがあった」と説明した。一方、宇都宮地検の高崎秀雄次席検事は「けんかの状況
さいたま地裁で30日、11日午後の判決まで12日間にわたって続く強盗致傷事件の裁判員裁判が始まった。初公判から判決まで2〜4日の例が多い裁判員裁判で、12日間はこれまでで最長。裁判員の負担は大きくなる。 午前中の選任手続きでは6人の裁判員のほか、審理途中で裁判員が出られなくなった場合に備える補充裁判員が4人選ばれた。補充裁判員は通常は2人ほどだが、期間が長いために人数が多くなった。 審理されるのは、東京都墨田区の探偵業赤谷拓治被告(33)。昨年9月、数人と共謀して埼玉県和光市の住宅に侵入し、包丁や鉄パイプで住人を脅してけがをさせ、現金53万円余や腕時計などを奪ったとして起訴された。 しかし、被告は公判前から無罪を主張。午後に始まった初公判でも「共謀は一切していない。私自身は無実」と訴えた。被告は実行行為に加わっていないことから、事前に実行者に指示していたかどうかが有罪・無罪を左右する
トラックを盗もうとしたところを発見した男性にけがを負わせたとして、強盗致傷罪などに問われた住所不定、無職、小林芳貴被告(35)の裁判員裁判で、千葉地裁は27日、懲役7年6月の判決を言い渡した。検察側は懲役8年を求刑、弁護側は懲役4年程度が妥当と主張していた。 判決後の会見には、裁判員と補充裁判員の経験者の男女計6人が出席。裁判員経験者の女性は、検察側と弁護側の立証について「検察側はカラーで図のある書類、要点がまとまっていた。弁護側はワープロ打ち1枚。国家権力と零細企業の差のような印象」と語った。 判決によると、小林被告は4月14日、千葉県匝瑳市の資材置き場で、男2人と大型トラックを盗もうとして、発見した会社役員の男性を角材で殴り、約10日間のけがを負わせたとしている。
裁判員制度が5月21日にスタートしてから半年が経過した。法律の素人である裁判員に自分たちの主張をどう伝えていくのか、検察・弁護側の試行錯誤が続いている。だが時として法廷での演出が過剰になり、空回りする場面もあり、法曹関係者からは「裁判員へのアピールに気を取られすぎている」と懸念の声も上がる。ともすれば“劇場型裁判”と揶揄(やゆ)される裁判員裁判での立証手法に、関係者からは注文が付いている。 11月中旬に東京地裁で公判が開かれた東京メトロ千代田線西日暮里駅の強盗致傷事件。弁護側は「刑務所からの出所後に行くところもなくホームレスになった被告が、持ち金もなく困窮の末に起こした犯行」と裁判員に訴えた。その上で、懲役9年を求めた検察側に対し、「懲役4年6月程度が相当」と述べて最終弁論は終了したかにみえた。 だが、弁護人は続けて「もう少しお聞きいただきたい」と裁判員に歩み寄った。「戦中戦後の日本で
遠隔地居住者 辞退はダメ? 屋久島→熊本 選任漏れ 裁判員手続き 交通費、実費に届かず 2009年11月19日 09:17 カテゴリー:社会 九州 > 熊本 熊本県で2例目の裁判員裁判が熊本地裁で18日始まり、裁判員の選任手続きで、鹿児島県屋久島町から来た女性候補者が選任から漏れた。女性は遠隔地居住を理由に「辞退できないか裁判所に聞いたが、来てくださいということだった」と話しているが、同地裁総務課は「事前に問い合わせがあったかは個人情報なので言えない」としている。 女性は、看護師内村仁美さん(25)。地裁から裁判員候補者の通知状が届いた昨年11月の時点では熊本市に住んでいたが、今年3月末に屋久島に移住。住民票も移した。 ところが、今年9月末か10月、屋久島の自宅に呼び出し状が届いた。内村さんは「裁判所に電話で『辞退できるのか』と聞いたら、『どうですかね』と言われ、『来なきゃいけないんです
福島男女共同参画相は21日、都内で開かれた女性に対する暴力の根絶を訴えるシンポジウムでのあいさつで、裁判員制度の対象に性犯罪が含まれていることについて、「(被害者の)プライバシーの点などで不安を生じている。法律的に除外することも視野に入れて検討したい」と述べ、対象から除外すべきだとする考えを表明した。
被告人質問の途中、傍聴席の遺族の表情が曇ったのを見逃さなかった。9月に和歌山地裁であった強盗殺人事件の裁判員裁判で、一緒に立会した主任検事に休廷を求めるよう合図を送った。遺族の意見を改めて聴くためだった。再開後、遺族の生の思いを被告人にぶつけて感謝された。「遺族に寄り添い代弁する。それがライフワーク」と語る。関連記事全国の公判担当検事が大阪で会合 裁判…被告、立ち上がり取り調べの女性検事に…記事本文の続き 4月、大阪高検に着任し、司法制度改革担当として各地検の裁判員裁判のサポート役を引き受けている。高検検事は通常、裁判員裁判に携わらないが、その都度各地検の検事を兼任するという事務取扱の発令を受け、地検検事として公判に立会する仕組みだ。 これまでに和歌山のほか、神戸と大津地裁の1号事件にも“助っ人”として駆けつけた。一人で3件は全国最多で、若手も「法廷に一緒にいるだけで安心」と全幅の信頼を寄
日産自動車元会長のカルロス・ゴーン容疑者(64)を巡る事件は、東京地検特捜部が21日、ゴーン元会長を会社法違反(特別背任)容疑で逮捕をしたことで新たな展開を見せた。ゴーン元会長個人の資産管理会社で…続き[NEW] 寝耳に水の再逮捕劇 ゴーン元会長、取り調べに強気 ゴーン元会長を特別背任容疑で再逮捕 東京地検
強姦致傷被告に裁判員「むかつくんですよね」 2009年11月19日(木)13:03 仙台地裁で19日に行われた 強姦 ( ごうかん ) 致傷事件の裁判員裁判で、質問に答えない被告に男性裁判員が「むかつくんですよね」と声を荒らげ、裁判長に制止された。 10歳代の女性に対する強姦致傷罪に問われた宮城県大崎市、運転手結城一彦被告(39)の第2回公判。 午前中の被告人質問で、男性裁判員が「この裁判は面倒くさいと感じますか」と尋ね、被告は「自分がやったことなので仕方ありません」と答えた。さらに「捕まって運がなかったと思いませんでしたか」「思いません」などのやりとりがあった。 男性裁判員はさらに「検事の質問に当たり前の答えしか返ってこない」「反省するのが一番じゃないですか」などとたたみかけ、被告が無言のままでいると、「むかつくんですよね。昨日から聞いていて」と、大声を出した。 川本清巌裁判長は「そのへ
多摩地区2例目の裁判員裁判で、東京地裁立川支部(山嵜和信裁判長)は12日、現住建造物等放火罪に問われた川崎市の無職牧田直人被告(24)に対し、求刑通り懲役5年の判決を言い渡した。前日の法廷で、被告が検察官に挑発的な発言を繰り返しただけに、裁判員からは「恐怖心を抱き、質問できなかった」との声もあがった。 判決によると、牧田被告は6月19日、狛江市の祖母宅で積み上げた木片にサラダ油をまいて火をつけ、住宅の一部を焼損させた。 判決理由で、山嵜裁判長は近隣の住宅に延焼する危険性や、親や祖母への八つ当たりから犯行に及んだ点を指摘。「反省の態度が見られず、再犯のおそれも否定できない」と述べた。 前日の被告人質問では、被告は再三にわたって声を荒らげた。検察官から反省の有無について聞かれ、「あんたはどう思うんだよ」と逆に質問し返すなどした。 判決後、20代の裁判員の女性は「(被告が)何かするのでは
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く