静岡県上空で二〇〇一年に起きた日航機同士のニアミス事故で、管制指示を誤ったため、衝突回避のため急降下した機の乗客らに重軽傷を負わせたとして、業務上過失傷害罪に問われた管制官蜂谷秀樹(36)、籾井康子(41)両被告の上告審で、最高裁第一小法廷(宮川光治裁判長)は両被告の上告を棄却する決定をした。一審の無罪判決を破棄し、両被告を執行猶予付き禁固刑とした二審判決が確定し、国家公務員法により両被告は失職する見通し。決定は二十六日付。 ニアミス事故で管制官の刑事責任が問われた初めてのケースで、管制指示と事故に因果関係があるかどうか、両被告が事故を予見できたかどうかが争点だった。決定は四裁判官の多数意見。 決定によると、ニアミスを起こした二機に搭載されていた衝突防止装置(TCAS)は一方の機に上昇、別の機に降下の指示を出したが、蜂谷被告はTCASが上昇指示を出した機に降下を指示。二機とも降下し、急接近