中国歴代皇帝が愛した中国美術の精華が、ついに来日へ-。平成26年6月から11月にかけて、東京国立博物館平成館(東博、東京・上野公園)と九州国立博物館(九博、福岡県太宰府市)で開催される、台北の故宮博物院展。台湾が誇る“美の殿堂”が、悠久の文化を物語る計231件を厳選し、披露する。その大半が日本初公開。特に見逃せない名品をひと足先に紹介する。 ◇ ■「翠玉(すいぎょく)白菜」 (清・18世紀)=東博のみ、期間限定展示 世界から故宮博物院を訪れる観光客にとって、一度見ずには帰れないお宝といえばこれだろう。同院随一の人気作品が東博にやってくる。 白と緑の翡翠(ひすい)の色をそのまま生かし、白菜そっくりの造形に彫り上げられている。高さ18.7センチ。よく見ると、葉先に2匹の虫がとまっている。キリギリスとイナゴ。中国では白菜は清白、キリギリスとイナゴは多産を意味す