格安で国内線に搭乗できる大手航空会社「全日本空輸」(ANA)の株主優待券をめぐり、グループ会社に勤務していた元男性社員が、使用済みの優待券を持ち出してチケットショップに転売し、不正に数億円を得ていたことが24日、同社関係者への取材で分かった。優待券の再使用を防ぐ処理が一部で実施されていなかったことを悪用した。内部調査で約2年前に発覚したが、同社は公表していなかった。ANAは元社員を懲戒解雇し、優待券の仕組みも変更した。 再使用防ぐ処理怠ったか 同社関係者によると、元社員は約2年前まで数年間にわたり、社内で保管されていた使用済みの株主優待券を不正に持ち出してチケットショップに持ち込み、「未使用」と偽って繰り返し転売。内部調査では、元社員が不正転売で得た利益は数億円に上るという。 ANAによると、使用済み優待券は当時、全国の空港カウンターなどで利用され、回収後にコンピューターのシステム上で再使