これに対して、駐米全権大使・野村吉三郎大将は次のように述べた。 「今回の貴国側の提案は、日本を失望させるであろう」。 するとルーズベルト大統領はまず、次のように応じた。 「事態のここに至ったのは真に失望するところである。第一回は本交渉開始後数ヶ月にして仏印進駐で冷水を浴びせられたが、最近の情報によると、またまた第二回の冷水を浴びせられる懸念がある」。 それから、ルーズベルト大統領はさらに話を続け、次のように結論付けた。 「ハル長官と貴大使等が話し合い中に、日本の指導者から何ら平和的な言葉を聞くことのできなかったことは、この交渉を非常に困難にしたのであって、暫定取り決めによって現状を打開するという折角の案も、終局に於いて日米両国の国際関係処理に関する根本主義が一致しない限り所詮は無駄になる」。 会見の最後に、駐米全権大使・野村吉三郎大将は次のように述べた。 「東京からまだ何ら回訓はないが、自
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