今のデジタル社会におけるコンテンツ論の背後にあるのは、「メディアとは何か」という問いである。 コンテンツの理論は、メディアとはコンテンツの流通システムであるという世界観を宣言する*1。コンテンツの生産と消費と、メディアという機能は、分離されている。 一方で、メディアの理論は、メディアこそは意味を含んだ供給者であり、コンテンツはそこに含まれる要素だという。コンテンツはメディアのサービスの中に内包される。これをコンテンツ産業論は、従来大規模投資を必要としていたメディア産業を保護するために、コンテンツとサービスをバインドすべく作り出されたフィクションだと考える。メディア論とコンテンツ論の隙間は、実体上は大した違いがないのだが、なかなか埋まらないんだな、これが*2。 著作権法は、創作者=著作権者=所有者、流通業者=隣接「権」者=準所有者という考え方で、この構造を規定しようとする。そこには、「創作者