日本のAI研究第一人者の中島秀之氏と“最強の棋士”と称される羽生善治氏との対談は、「独創的な一手」という話題を契機として、「なぜAIは棋士が指せなかった新手を指せるのか」という議論に発展し、やがてそれは、人間が生来持っていて、現在のAIが持ちえない“本能”という深遠なテーマにつながっていきます。 AIに感情移入できる可能性 羽生善治氏(以下、羽生):前に孫正義(ソフトバンクグループ社長)さんと話したとき、「100億の人間と100億のAIが暮らす世界」という話が出ました。そういう世界になってしまうと、100億と100億で、民主主義でいうと五分五分ですから、それぞれの意見や意思や気持ちも尊重しなければいけない。そうなると、人間がAIに何かを頼んだときに、AIが「いや、面倒くさいから、やらない」と言ったり、逆に、人間がAIから「やれ」とか言われるかもしれないので、結構、いろんなことが起こるのかな
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