その理由の1つに、今やほとんどのアジア諸国にとって、中国が最大の貿易相手国となっていることが挙げられる。米国経済も中国経済としっかりと結ばれている。この経済統合は、米ソ冷戦時代とは全く異なり、衝突のリスクを大きすぎるものにすると言う向きもある。 一方で、歴史上、同じようにグローバル化が急速に進んだ時期は、世界的な平和ではなく、第1次世界大戦に至ったと指摘する向きもある。 さらに、米国と中国は実際、確執を解消するのがうまいと主張する向きもある。クリントン国務長官は北京での会談の後、「どんなことでも話し合う」ことができる米中関係の「強さと弾力性」を称賛した。確かに、盲目の反体制派中国人、陳光誠氏の運命を巡る5月の争いはすぐに収拾した。 ホワイト氏はそれでも、世界で最も重要な2国間関係について、1人の人間がそのような基本的な疑問を提起し得るということは、とてもではないが安心できないと考えている。