日本で“時価チケット”の普及に挑む企業がある。三井物産とヤフー、ぴあが共同出資するダイナミックプラス(東京・千代田)だ。設立間もないが、Jリーグ、プロ野球、ラグビーとダイナミックプライシングの導入先を急速に増やしている。特集の第2回は、ダイナミックプラスの野望と、“値付け”の舞台裏に迫る。 三井物産、ヤフー、ぴあが共同出資して設立したダイナミックプラス。需給に応じて価格を変えるダイナミックプライシングという仕組みを、スポーツの試合に持ち込んだ 自由席の価格が3倍に跳ね上がった──。2018年10月、横浜F・マリノス対鹿島アントラーズの一戦は、試合展開以上に、その値付けが話題を呼んだ。チケットの売れ行きや曜日、当日の天候など、さまざまな条件を変数として計算式に落とし込み、“時価”をはじき出した企業がダイナミックプラスだ。 同社は18年6月1日、三井物産が62.6%、ヤフーが34.0%、ぴあが