●男女雇用機会均等法が施行されて20年、女性の労働環境はどのように変わったのだろうか。確かに、求人広告からは性別を限定する文言が消え、看護師や鉄道員など一部職種においては男女間の垣根がなくなりつつあるのだが、全体を見渡せば相変わらず“総合職=男性、一般職=女性”という構図は存在する。 ●神奈川大学経営学部の浅海典子助教授は、この構図が均等法以前から続いているにもかかわらず、「一般職の女性たちが職場でどのような役割を担っているのか、実態はあまり知られていない」ことに着目して研究を進め、その成果を『女性事務職のキャリア拡大と職場組織』(日本経済評論社)にまとめ上げた。 ●企業にとって、男女を問わず優秀な人材を確保し、育成していくことは最も重要なテーマのひとつだ。一方で、大学も人材育成に乗り出し始めている。価値観が多様化するなかで、企業は、そして個人は、いかにして“キャリア形成”に取り組むべ