パカパカファームで生まれた馬たちは、およそ東京ドーム53個分(250ヘクタール)という広大な土地でゆったりと過ごしている。『パカパカファーム』成功の舞台裏 連載●第3回 2001年の開場からわずか11年で、日本ダービー馬ディープブリランテを輩出した『パカパカファーム』(北海道新冠町)。この連載では、同牧場を開いたアイルランド人、ハリー・スウィーニィ氏のこれまでの物語をたどりながら、パカパカファーム成功の秘密を探っていく。今回は、来日初年度にスウィーニィ氏がぶち当たった苦難と、そこでの奮闘ぶりを追う――。 1990年代の日本競馬を語るうえで、「タイキ」と名の付く馬たちの存在を欠かすことはできない。タイキブリザード(主な勝ち鞍=安田記念)に、タイキフォーチュン(主な勝ち鞍=NHKマイルC)、そしてマイルチャンピオンシップなど数々の国内短距離GIを制し、さらにはフランスのGIジャック・ル・マロワ