SFマガジン700号である。分厚い……高い。584P! 2900円! 記念だからといって分厚くすればいいというものではない。 が、内容が詰まっているのはいいことだ。素晴らしくいいことだ。いやあそして肝心の内容は凄いぜ。1960年台前半からのSFの歴史がぎゅっと濃縮されているといってもいい。たかだかSF、されどSF。そこに何十年何百年もの時間が流れているのであれば、やっぱりそこには流れているだけの何かがあって、その時代その時代の人々はみな一生懸命にSFを書いて、SFを読んでいたわけで、その一所懸命な道のりが濃縮されているのだから、凄くないはずがない。 なにしろ神林長平が新人だった頃の「神林長平は「これから」の作家である」という評なんか、読んでいるだけでタイムスリップした気分になるものなあ。ダン・シモンズのハイペリオンが初めて訳された時の反応とか、後代において評価が固まっている作家や作品が出て