いやあ、これは抜群に面白かった。元は著者のAndyWeirによってkdpで個人出版されたものの人気が爆発して最近ちゃんとした出版社から再出版された作品。シンプルながらそのオリジナリティは他の比するものがなく、先がわからないどきどき感と「今自分はかつてないものを読んでいるんだ」という興奮がある。 あらすじを簡単に説明するならば火星有人探査中に強烈な嵐にあって通信断絶、他の乗組員はコンタクトがとれずに軌道上に退避し、火星に一人取り残された植物学者兼エンジニアの男が、火星でSurvivalを実行する「ハードSF」。この「ハードSF」という部分が肝だ。作中では自分が生き延びるために必要なカロリー計算と、それに見合うだけのポテトの栽培、それに必要な水をなんとかして得なければならぬ、と次から次へと難題が降ってきてその科学的解決が「生存戦略ー!!」とばかりに必死に行われていく様はまさに「知的格闘技」だ。
![He's a clever son of a bitch『The Martian』 by AndyWeir - 基本読書](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/b0b4c5363a4f1fc778575d0a031f4d9c73f288e4/height=288;version=1;width=512/http%3A%2F%2Fecx.images-amazon.com%2Fimages%2FI%2F41MW9AB6InL.jpg)