国からの借入金などを元に、大学などの奨学金の貸与事業を行う独立行政法人「日本学生支援機構」で、卒業生の住所が分からなくなり、計約132億円が回収不能になっていることが、会計検査院の調べで分かった。 検査院は同機構に対し、「出身大学にも協力を求め、住所を把握する努力をするべきだ」と改善を求めた。 機構では3月に卒業した奨学生に対し、毎年8月に奨学金返還についての通知を発送。10月から返還を受け付けている。検査院によると、2007年度末で奨学金の返還を3か月以上滞納していた人は約21万人で、滞納額は約2253億円。このうち、6%にあたる約1万3000人(総額約132億8000万円)は、住所不明者だった。8月の通知段階ですでに住所が分からない人も多く、検査院は「早めに住所調査を行うことが必要」としている。 同機構は「指摘を真摯(しんし)に受け止めている。個人情報保護の問題もあるが、大学との連携も